🍃 はじめに──“暑さを忘れる旅”に出かけよう
真夏。
街はアスファルトの熱をまとい、
どこへ行っても人と熱気に包まれている。
そんな季節にこそ、思い切って“涼を感じる旅”に出かけてみませんか?
標高の高い山あい、清流のほとり、森に囲まれた宿。
日中でも30℃を下回るような涼しい場所には、
心まで軽くなるような空気が流れています。
そして、その土地の湯に身を沈めれば、
風が頬をなで、水の音が耳をくすぐり、
「ああ、生き返る」と自然に笑顔がこぼれる。
今回は、そんな“避暑×温泉”をテーマに、
全国の中から緑と水に癒される温泉宿5選をご紹介します。
都会の喧騒を離れて、
心と身体を静かに冷やす──そんな大人の夏旅へ。
① 奥入瀬渓流ホテル(青森県)
──渓流と緑に包まれる、森のリゾート温泉
青森・十和田の奥入瀬渓流沿いに建つ「奥入瀬渓流ホテル」は、
“自然と調和する宿”として知られる人気の避暑地。
ホテルのすぐ目の前を流れる奥入瀬川。
水音がBGMのように響き、
木漏れ日が差すロビーからは、まるで森の中にいるような感覚を味わえます。
温泉は、十和田湖温泉郷から引いた天然の硫黄泉。
露天風呂「渓流露天」は、
湯船のすぐ下に清流が流れ、緑に包まれながら入浴できる贅沢な空間です。
夏の朝、霧の中で聞く鳥のさえずり。
夜、湯けむりの向こうに広がる蛍の光。
どちらもここでしか味わえない“夏の涼景”です。
宿泊者限定の「モーニング渓流ウォーク」もおすすめ。
地元ガイドと一緒に、早朝の渓谷を散歩すれば、
マイナスイオンを全身で感じることができます。
おすすめポイント
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渓流沿いの露天風呂で天然の涼を満喫
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鳥の声と水音が響く自然環境
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夏限定の早朝ガイドツアー
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星野リゾート系列で安心のサービス
② 白骨温泉 泡の湯(長野県)
──乳白色の湯と涼風が包む“山の隠れ宿”
標高1,400m、信州・松本の奥地に佇む「泡の湯」は、
“夏でもクーラーがいらない宿”として知られる名湯。
山の中にあるため、昼でも25℃前後、朝晩は18℃ほど。
風が吹くたびに木々がさわさわと音を立て、
都会の暑さを完全に忘れさせてくれます。
名物は、白く濁った乳白色の温泉。
炭酸を含んだ湯が肌に細かな泡をまとい、
湯上がりは驚くほどスベスベに。
大露天風呂はまるで“森の湖”。
木々の間から差し込む光が湯面に反射し、
緑と白のコントラストが幻想的です。
夜になると星が近くに見え、
虫の声と風の音だけが響く静かな時間。
心の奥まで癒される“避暑地の理想形”です。
おすすめポイント
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標高1,400mの天然避暑地
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炭酸泡の乳白色温泉
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森の中の大露天風呂
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一人旅でも落ち着く静けさ
③ 黒川温泉 山みず木(熊本県)
──川のせせらぎに包まれる、森の避暑地
九州にも“夏の涼”を感じる場所があります。
阿蘇の山あいにある黒川温泉郷、その中でも特に人気なのが「山みず木」。
この宿の魅力は、何より自然との距離の近さ。
建物のすぐ横を小川が流れ、
客室や露天風呂からは、緑と水音が絶えず感じられます。
夏の黒川は、昼でも27℃ほど。
夜になると虫の音と水音が重なり、
自然が奏でる“癒しのオーケストラ”が響きます。
温泉は無色透明の硫黄泉。
露天風呂「森の湯」では、
木漏れ日と川風を感じながら、ゆったりと湯に浸かれます。
また、宿全体が木造で造られており、
湿度が高い夏でもどこか涼やか。
夕食は阿蘇の地野菜や川魚を使った創作料理。
清流を眺めながらの夕食は、まるで夏のご褒美。
おすすめポイント
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川の音と森の風を感じる温泉
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阿蘇の自然が生む天然クーラー
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地元食材の創作会席
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静寂と癒しの両立
④ 奥飛騨温泉郷 平湯館(岐阜県)
──飛騨の山に抱かれる“天然の涼宿”
標高1,200m、北アルプスの麓に広がる奥飛騨温泉郷。
その中でも特に“避暑と癒し”に優れた宿が「平湯館」です。
古くから湯治場として知られ、
地元の人々にも愛されている名湯。
温泉は湯量豊富な単純泉で、
肌にやさしく長湯しても疲れにくいのが特徴。
夏の平湯は気温20〜25℃前後。
露天風呂から眺める緑はまるで森林浴。
木々の間を抜ける風が肌に心地よく、
まさに“天然のクーラー”を感じられます。
また、夜には満天の星空。
街灯の少ない立地だからこそ、
空一面に広がる天の川を望めます。
食事は飛騨牛や山菜、朴葉味噌など地元料理。
館内も木のぬくもりに包まれ、
まるで時間がゆっくり流れるよう。
おすすめポイント
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標高1,200mの天然避暑地
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森林浴×温泉で極上のリラックス
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星空観賞にも最適
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飛騨の味覚を堪能できる夕食
⑤ 支笏湖第一寶亭留 翠山亭(北海道)
──湖と森に抱かれる、北の涼宿
札幌から車で1時間。
支笏湖畔に佇む「翠山亭(すいざんてい)」は、
“北海道の涼を五感で感じる宿”として人気です。
支笏湖は日本でも有数の透明度を誇り、
湖の青は「支笏湖ブルー」と呼ばれるほど美しい。
その水面を望む露天風呂では、
湖風が頬をなで、まるで自然と一体化するような心地よさ。
温泉はナトリウム・カルシウム泉で、
入浴後も肌がしっとり潤う美肌の湯。
夏の平均気温は22℃前後と快適で、
昼でも木陰に入ればひんやり。
宿にはラウンジや湖畔テラスがあり、
読書をしたり、風を感じながらカフェタイムを過ごしたり。
夜は湖面に月が映り、虫の声と波の音だけが響く──
まるで時間が止まったような静けさ。
おすすめポイント
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湖畔の絶景露天風呂
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支笏湖ブルーの透明な景色
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夏でも22℃前後の快適気候
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北海道らしい食材を使った会席料理
💧 涼を感じる温泉旅をさらに楽しむ5つのポイント
1️⃣ 標高1000m以上を目安に宿を選ぶ
標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がります。
避暑地の目安は1000m以上。
2️⃣ 川・湖・森のそばを選ぶ
自然の“水と緑”がある場所は体感温度が下がり、癒し効果も倍増。
3️⃣ 昼は自然散策、夜は湯に癒される
昼に汗をかいた後、夕暮れ時に温泉へ。
涼風と湯の温かさのバランスが最高です。
4️⃣ 風鈴・せせらぎ・虫の声──“音の涼”を楽しむ
耳で感じる涼しさも旅の醍醐味。
5️⃣ 涼しげな食で夏を満喫
川魚の塩焼き、冷酒、トマト、夏野菜の炊き合わせなど、季節の味も一緒に。
🌲 まとめ──「涼しい」は、贅沢のかたち
夏の温泉旅と聞くと、
「暑いのにお湯なんて」と思う人もいるかもしれません。
でも、標高の高い地や川沿いの宿では、
湯上がりに涼風がそっと頬を撫で、
自然がクーラーの代わりをしてくれます。
冷たい空気、緑の香り、川の音。
それらがすべて一体となった瞬間、
心が“リセット”される感覚を味わえるのが、
避暑地温泉の真の魅力です。
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森と渓流の涼音を感じたいなら → 奥入瀬渓流ホテル(青森)
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山風と乳白色の湯で癒されたいなら → 泡の湯(長野)
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川と緑に包まれたいなら → 山みず木(熊本)
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標高と星空を楽しみたいなら → 平湯館(岐阜)
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湖と風に癒されたいなら → 翠山亭(北海道)
夏の暑さを忘れ、
“自然と共に過ごす涼しい時間”を感じてください。
冷たい風の中、温かい湯に包まれる。
そんな相反する心地よさこそ、
夏の温泉旅の醍醐味です。
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